

関西大学文化交渉学教育研究拠点(Institute for Cultural Interaction Studies、略称ICIS)は、文部科学省の選定による平成19年度グローバルCOEプログラムの一つとして昨年10月に発足しました。本拠点は、その名の通り、人文学分野における大学院レベルの教育・研究の水準を高度化させるという使命をもっています。
まず、教育面においては、拠点の事業推進担当者全員が大学院文学研究科に新しく設けられた「文化交渉学専攻・東アジア文化交渉学専修」の授業を担当し、「国際共同授業プログラム」も含むコア・カリキュラム、「アカデミック外国語プログラム」、およびフィールド・ワークとしての「周縁プロジェクト」を通じて、複眼的アプローチと多言語による発信力を持ち、国際学界でリーダーシップを発揮できる若手研究者を育成することを目指しています。
そして、研究面においては、助教、特別研究員およびPDなど事業推進支援者も含む拠点メンバー全員が、定期的に開催される「文化交渉学創生部会」において、ナショナルな分析単位および学問分野別の研究枠組みを見直し、東アジアという文化複合体の「舞台」で行われてきた諸文化の交渉をトータルに把握するための理論と方法の構築をめぐって切磋琢磨しています。また、事業推進担当者は「北東アジア班」、「沿海アジア班」、「内陸アジア班」および「アジア域外班」という4つの研究班に分かれて各地域の文化交渉の事象・事例の研究を行なっています。
ここにお届けする紀要『東アジア文化交渉研究』創刊号は、「文化交渉学」をめぐる本拠点メンバーおよび若手研究者の研究成果報告集です。
関西大学には、1951年に創設された東西学術研究所があり、また2005年には文部科学省選定の「学術フロンティア推進事業」としてアジア文化交流研究センター(CSAC)も設けられました。これまで、この両機関によって日中交流史を中心とする文化交流史関係の研究成果が数多く生み出されています。当拠点はある意味で、この両機関を基礎に立ち上げられた先進的な教育研究組織であるとも言えます。今後、当拠点は学内外の関係機関と広く連携し、「文化交渉学」という学問分野の確立およびこの分野の若手研究者の輩出を目指して着実に努力して参りたいと考えます。
どうぞ、当拠点および紀要の前進にお力添え下さいますようお願い申し上げます。
2008年2月7日
(関西大学文化交渉学教育研究拠点リーダー陶徳民)