KANSAI UNIVERSITY
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拠点概要 ― Institute Overview

文化交渉学とは

文化交渉学モデル図 私たちがめざす文化交渉学とは、国家や民族という分析単位を超えて、東アジアという一定のまとまりを持つ文化複合体を想定し、その内部での文化生成、伝播、接触、変容に注目しつつ、トータルな文化交渉のあり方を複眼的で総合的な見地から解明しようとする新しい学問研究です。関西大学には、日中交流史を中心とする文化交流史の豊かな研究蓄積がありますが、文化交渉学は、文化交流研究をさらに広い学問体系として構築することをめざすものです。
  従来の文化交流研究は、主として個別専門分野ごとの文物や制度に関する事例研究の積み重ねとして形成されてきました。言語、思想、民族、宗教、文学、歴史など学問分野ごとの知見が個別叙述的に蓄積される一方で、文化交渉の全体像を把握する方法への省察は、なお未開拓な分野です。それは、同じ事象を対象としながら学問分野を越えての接触を欠き、全体性を失った現代の人文学研究の現状をそのまま反映しているとも言えます。
文化交渉学概念図 また、従来の文化交流研究においては、国家単位のナショナルな研究枠組が前提となり、たとえば日中交流史のように二国間の文化交流という枠組で研究が行われているのが現状です。そこでは、二国間であっても、個別の研究は日本と中国のナショナルな枠組にそれぞれ拘束されており、越境的で総合的な研究組織、研究フィールドは未だ形成されていません。東アジア世界については、ナショナルな枠組を超えた視座として東アジア文明、東アジア文化圏という概念がすでに存在していますが、こうした文明論・文化圏を無批判に前提とする研究は、その文明・文化の中心となる高度な文明を安易に設定する点で、「文明―未開」「中心 ―周辺」の図式を脱却していません。そのために、本来は双方向的な文化交渉の本質が把握されず、水が高きから低きへ流れるように「中国から周辺諸国家への文化の伝播」という一方通行の理解から脱することができないまま、文化接触の多様な諸相を平板に捉えるにとどまっています。文化交渉学モデル図
  このような東アジア文化研究に対して、文化交渉学は、従来の文化交流研究の成果をふまえながら、それをより高次な学問研究へと飛躍させるために用意された場なのです。その実現のためには、ナショナルな研究枠組みからの越境と学問分野別の研究枠組みからの越境を意識的に行うことが必要です。文化交渉研究に包含されるテーマは当然のことながら多種多様ですが、包括的な研究軸として、私たちは「媒介からみた文化交渉の諸相」「文化接触とその影響の地域性」「他者から見た文化像とアイデンティティ」などを想定しています。
  また、東アジアを対象とする今回の研究プロジェクトでは、文化中心を固定的に設定することはしません。また、1国、1地域の文化を他者から切り離して孤立的に探求する方法も採りません。1国文化研究あるいは1国対1国に限定された文化研究から離陸するためには、東アジアを、絶えざる文化接触の連鎖の結果として構築された文化的複合体として措定し、人文学のさまざまな観点からとらえ直すことが求められます。そうしてはじめて、東アジアにおける文化交渉の多様な姿を十全に理解することが可能となり、それは従来の東アジア世界の文化像を一新することに帰結するでしょう。そして、そのような試みこそ、現代の東アジアが最も必要とする文化研究に他ならないのです。

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拠点概要―拠点形成の目的

 本拠点は、日中交流史を中心とする本学の特色ある研究実績を十分に踏まえながら、新しい学問分野としての「文化交渉学」を構築し、その手法を身につけた若手研究者の育成を進めることをめざしている。本拠点の活動目的は、以下の3点に集約される。

  1.東アジア世界を多対多関係の織りなす文化的複合体として捉える複眼的視座を共有し、国際的発進力を持つ自立した若手研究者を育成する。

  2.従来の二国間関係あるいは学問分野別の文化交流研究を越えて、新たな学問分野としての「文化交渉学」を創出し、その理論と方法、具体的研究事例をする。

  3.各国で個別に行われている文化交流研究・対外関係史研究などを国際的ネットワークで結びつけ、東アジア各地域の文化研究をリードし、固有の「国際学会」を有する研究ハブを構築する。

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拠点概要―拠点組織

 人材養成組織として、本学大学院文学研究科を改組し、「文化交渉学専攻・東アジア文化交渉学専修」を平成20年4月に新設する。また研究活動を含めた COEプログラムの実施組織として、全ての事業推進担当者および支援スタッフ(客員教授・助教・特別研究員・PD)が所属する「文化交渉学教育研究拠点」を設立する。同時に学内関係部局が一体となった支援体制を構築するために、学長を議長とする「グローバルCOE運営協議会」を立ち上げ、諸事項の決定と全学的調整を迅速に行うとともに、プログラムの進捗を管理し、必要な助言を行う。

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拠点概要―研究活動

 我々が構築しようとする文化交渉学とは、国家や民族という分析単位を超えて、東アジアという一定のまとまりを持つ文化複合体を想定し、その内部での文化生成、伝播、接触、変容等の諸現象に注目しつつ、トータルな文化交渉のあり方を複眼的で総合的な見地から解明しようとする新しい学問研究である。そのための方法論の構築と研究活動全般の統括のために拠点メンバー全員によって「文化交渉学創生部会」が構成され、その下に研究班として4地域研究班が置かれる。

二つの越境
  従来の文化交流研究は、主として言語、思想、民族、宗教、文学、歴史など学問分野ごとの事例研究の積み重ねとして形成されてきた。また従来は、国家単位のナショナルな研究枠組が前提となり、例えば日中文化交流研究においては、個別の研究は日本と中国のナショナルな枠組にそれぞれ拘束されてきた。
  文化交渉学は、このような文化交流研究の成果をふまえながら、それをより高次な学問研究へと飛躍させるために用意された場である。研究方法としては、文化中心を固定的に設定することは避け、また一国一地域の文化を他者から切り離して孤立的に探求する方法も採らない。多対多関係の中で東アジアをとらえ、絶えざる文化接触の連鎖の結果として構築された文化的複合体としての東アジア文化を措定し、人文学のさまざまな観点を組み込みながら分析しなおすこと、これが東アジアを対象とする文化交渉学に求められる役割である。

研究の結節点
  国別の研究枠組みと学問分野別の研究枠組みの両者を越境し、多様な文化交渉の事象を包括する幅広い研究軸として、本拠点では以下の3つの研究軸を想定している。

1.媒介から見た文化交渉の諸相
  個人や集団としての「人」、典籍や交易産品のような「モノ」、さらに船舶などの交通手段、交易路、それを規定する国際関係など、研究対象は広範である。本拠点では、それぞれの専門領域からこれらを個別に取り上げるだけでなく、「東アジア」という大きな場への止揚に留意しつつ、研究を進める。

2.地域における文化接触とその影響
  東アジアのなかにある特定の地域を設定し、その地域における文化交渉を他地域との比較を念頭に置きながら研究する。「北東アジア」「沿海アジア」「内陸アジア」「アジア域外」の4地域研究班を置き、中国文化とどのような関係を取り結んだかを当面の共通課題とし、次いで各地域文化の東アジア全体における位置を共同研究する。

3.他者から見た文化像と文化アイデンティティの形成
  自画像と他者の手による肖像のギャップ、そして他者の自己認識が自らの文化的アイデンティティ形成とどのように関係するかを扱う。異文化接触を考える際に必ず表面化する問題であり、文化的複合体として東アジアを捉えようとする本プログラムにも必須の視点である。

情報発信
  研究成果を発信する紀要、日常的活動報告であるニューズレターは日本語のみならず、英語・中国語など多言語による発信を行う。また拠点の活動、専攻の内容を紹介するホームページは、日・英・中(繁体字・簡体字)・韓の各バージョンを用意し、世界の研究者の利用に供するデータベースを構築・公開する。

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研究拠点-組織図

 組織図

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